デジタルマガジン

2013年02月07日 18:09

ノマド信者による「お前もノマドになるぞ!」という脅迫的ポジショントーク

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 作家でノマドという「いいから部屋で原稿書いてろ」とアドバイスしたくなる方が、自分のブログで「将来的に1億どころか総人類がノマドになるのだ」などと人類総ノマド化計画を語られております。

 大石哲之のノマド日記: サラリーマンもノマドを強制される時代がきます

 このノマド信者によると「“ノマド=フリーランス”ではなく、ノマドの考え方を変えよう。私の言うノマドとは一定期間ごとにその人の能力に応じて雇用される会社を変える人のことを指すのです」だそうです。

 うん、ノマドの適用範囲をインターネット付きカフェを探してさまよい歩く人たちから、転職を繰り返す契約社員にまで広げてきましたか。やばい、このままだとボクもノマドにされてしまう。

 まあどこまでノマドとするかはその人の頭のなか限定であれば自由ですし、これこれこういう考えでだからこれもノマドなんですと主張されるのは一向に構わないんですが、気になったのは以下の一文です。

 本質的には、会社員でもフリーランスと同じように能力で食っていくだけのマッチョにならないと、将来は暗いということです。

 組織の時代にしがみつきたいひとも、いずれ、無理やりノマド化を強制されます。

 会社員だからといって、ノマドではない。ノマドは関係ない、と考えているなら大間違いです。会社員だからといっても、会社・雇用という市場において、あなたはノマド遊牧民のように、雇用される能力(エンプロイアビリティ)を高めて、会社を移り歩く力を身につけなくてはいけないわけです。

 (中略)

 ノマドの話は、私、大石哲之のサロン tyk projects内で、続きを議論しています。ノマドの本質に興味があるかたのご参画をおまちしております。

 大石哲之のノマド日記: サラリーマンもノマドを強制される時代がきます

 なんなんでしょうね。この、まず脅かしておいて次に自分のサロンに入れっていう流れ。ああ、どこかで見たことあると思ったらこれ宗教の勧誘と一緒ですね。

 仮に、ノマド大司教の予言どおり人々がその能力をもとに転職を繰り返す時代がくるとしましょう。でも、その将来ってぶっちゃけ今年の新卒が定年で退職するまでにきますか?

 転職会社の調べによると、サラリーマンの平均転職回数は1.8回だそうです。

 転職について – 転職アンケート集計結果 – [en]転職コンサルタント

 平均2回としても、20年ごとに1回転職するだけです。さすがにこれをノマドと呼ぶのは苦しい。

 ノマド猊下は「将来は欧米のように雇用が流動化される」とお告げになりたいのでしょうが、雇用流動性の高いアメリカでも人は年を食えば食うほど落ち着くようになります。

 アメリカの58歳から62歳の男性労働者の平均勤続年数、21.9年ですよ。

 The More Things Change, The More They Stay the Same: Trends in Long-term Employment in the United States, 1969-2002

 人間40歳すぎたら安定を求めて落ち着きはじめるんです。いつまでもマッチョとか言ってないでふたつの意味で早く地に足がついた生活を送ってください。いま賃貸安いっすよ。

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