デジタルマガジン

2012年11月13日 21:56

Amazonの『Kindle ダイレクト・パブリッシング』印税率70%の罠。電子書籍の配信コストは著者負担

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 ブロガーのイケダハヤト氏が「Amazonの『Kindle ダイレクト・パブリッシング』で800円の本を印税率70%で1,000冊売れば56万円儲かる」みたいな絵に描いた餅の話をしてましたので「それ間違ってますよ」という話です。

 ちなみにAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシングは印税率が35%、70%での出版が可能です。これはかなり可能性を感じてしまいまして、例えば800円の電子書籍を売る場合、70%の印税であれば、

 1,000冊×800円×70%=560,000円

 の収益になるわけです。たった1,000部の実売で、50万円以上入るというのはなかなか衝撃的。コンテンツがよければこのくらいはクチコミで売れてしまうレベルでしょう。

 著者は印税だけで生活できるのか | ihayato.news

 結論から先に書くと、Kindle ダイレクト・パブリッシングの70%ロイヤリティオプションでは配信コストが著者負担となっています。

 上記ロイヤリティレートに、電子書籍の希望小売価格から上記の適用可能な販売地域内のカスタマーへの販売に係る配信コストを控除した額を乗じます。

 ロイヤリティレート x (希望小売価格-配信コスト) = ロイヤリティ

 例外については、以下の「競合他社との価格整合性」を参照。

 Amazon.co.jp:Kindle ダイレクト・パブリッシング:ヘルプ

 35%のロイヤリティオプションでは単純に“ロイヤリティレート x 希望小売価格 = ロイヤリティ”が適用されますが、70%では配信コストがかかるわけです。

 そりゃ70%まるまる貰えるなら誰だって70%を選びますよね。35%と70%、2つの選択肢があるのはそれなりの理由があるということです。

 具体的な料率については鳥居三三さんがTogetterにまとめた記事を読むとよく分かります。

 Kindleダイレクトパブリッシング(KDP)の料率よもやま – Togetter

 大事なところは以下。

 見て分かるようにかなり配信コストがかかります。これはもうAmazonが「35%のロイヤリティオプションで契約しろ」と言ってるようなものです。

 すでに海外で電子書籍の個人出版をしている人のなかには「Kindleで買わないで欲しい」とのメッセージをうったえている人もいます。

 当初の予想どおり、Amazon Kindleユーザーによる購入が圧倒的なシェアを占め、とても喜んでいたところ、1冊あたりのロイヤリティ収入はAmazonが一番低いことを発見。

 Wi-Fi/パケット通信費は作家負担の配信コストになるため、結果として実質的なロイヤルティーは51%程度となってしまったという。

 「Kindleで私の電子書籍を買わないで」ある個人作家が“ロイヤルティー70%の罠”を告発 – 電子書籍情報が満載! eBook USER

 そんなわけで夢の印税生活をぶちこわして申し訳ないのですが、電子書籍の自費出版を目指している人はよく調べてから行動した方が良いですよ。ひょっとしたら執筆にかかる時間でブログ書いてた方が儲かるかもしれません。

 ちなみに日本ではまだ70%のロイヤリティオプションは選択できませんが、こちらはほかの国と同じようにしばらく経ってからローンチされる見通しですのでご安心ください。

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