デジタルマガジン

2012年01月15日 14:50

[献本御礼][書評] iPhoneアプリ個人開発者の失敗が詰まった『大手メーカーが作らない「B級」iPhoneゲームが売れる50の理由』

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 東京に行ったときは一緒に焼き鳥なんかを食べる仲のRucKyGAMESさんがiPhoneアプリ開発の本を出したということで、「ください」と言って献本いただきました。ありがとうございます。

 出版されたRucKyGAMES本のタイトルは『大手メーカーが作らない「B級」iPhoneゲームが売れる50の理由』。ボクもiPhoneアプリのレビューサイト『AppBank』で毎日アプリのレビューを書いているせいか、最近は自分でもiPhoneアプリを作ってみたいと考えるようになりました。つまり、ボクにとってものすごくタイムリーな本です。

 まあ“やりたい”と考えているだけで“実際には取り掛かってもいない”ので口先だけレベルの話なんですが、多くのユーザーに愛されるお手軽ゲームを作って「アプリの収入だけで遊んで暮らせるぜうわははは」って夢ぐらいは見たっていいじゃないですか。

 というわけで本が届いたその日に急いで開封し、ものの1時間あまりで読み終わってしまいました。読みやすいところもさすがのRucKyGAMES製ですね。

50の理由は嘘タイトル。でも内容には価値あり

 ぶっちゃけ本の内容はそんなに多くありません。“50の理由”とありますが、50もありません。なんせ理由その1が『はじめに』です。きちんとした理由に直すとたぶん10ぐらいになります。でも、この本の内容はオススメです。

 大まかな流れは以下になります。

  • 今のRucKyGAMESの紹介
  • なぜRucKyGAMESを始めたか
  • 有料アプリを販売してみた結果
  • 無料アプリ+広告の組み合わせで道が開けた
  • 悩むよりまずはゲームを作ってみよう
  • ゲームのアイデアの出し方

 RucKyGAMESを知らない人がこの本を買うとは思えないのですが、まずはRucKyGAMESの紹介から始まり、その成り立ち、有料アプリへの挑戦と失敗、無料アプリでの成功、そして今からiPhoneアプリを作ろうと考えている人へのメッセージなど、RucKyGAMESなりのiPhoneアプリ開発観が満載となっています。

 もうすでに作っている人や成功している人、iPhoneアプリを作ろうとは思っていない人が読んでも何の足しにもならないでしょうが、そうでない人にとっては神本です。

アプリはいっぱい作ろう。RucKyGAMESの打率は1割6分7厘

 本の中で「90本作って400万ダウンロード」とあるのですが、データを見てみるとその中身はかなり偏っていることが分かります。

 総ダウンロード数400万のうちの350万ダウンロード(約87.5パーセント相当)は、上位15本のダウンロード数が占めています。

 『大手メーカーが作らない「B級」iPhoneゲームが売れる50の理由』第1章 RucKyGAMES 栄光の軌跡 20ページより

 作ったアプリ90本のうちダウンロード数が多いのは15本。打率にすると1割6分7厘。6本作って1本ヒットすれば良い方です。そのなかで「売れた」となると数はさらに少なくなるでしょう。

 「RucKyGAMESのアプリはクソゲーばかりだからしょうがない。俺はすごいアプリだから大丈夫」という人もいるでしょうが、そういった人たちが何人も挑戦して破れていったのがアップストアです。

 ボクの耳に入っている話では流行りのソーシャルゲームですら3割バッターだそうです。つまり、3本作って1本あたったら御の字。より多くのヒットを打つためにはより多くの打席を稼がないといけません。数で勝負です。

作らない言い訳を並べても意味がない

 「似たようなアプリがあるから」「どうせ面白くないから」と作らない言い訳を並べ立てるよりもとりあえず作ってみましょう。作ればそれは経験として身につきますが、作らなければゼロです。一歩も前に進めません。

 アップストアはすでに飽和状態に思えますが、類似アプリが存在する場合でも、それらと違うアプローチを採用すれば、十分戦える土壌はあると思います。同じアプリが出てるからと、作るのをやめるのはもったいないです。

 『大手メーカーが作らない「B級」iPhoneゲームが売れる50の理由』第3章 アップストアとの仁義なき戦い 51ページより。

 まずは作ってみる。そんな勇気を持つことが大事です。

 この本を読んでもiPhoneアプリの開発スキルは身につきません。けれども、開発のうえでやってはいけないこと、失敗のタネは分かります。

 「これを、こうやったから、こんな失敗をした」を本を読むだけで知ることができる。これは絶対に価値があります。

 「今年はiPhoneアプリを作るぞ!」と決めているそこのあなた、どっちが先にアプリを出せるかボクと競争ですよ。

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