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iPhoneアプリの電子書籍はサクラレビューによるステルスマーケティングだらけ

2012/01/28

 iTunes Storeのランキング上位に電子書籍アプリをみかけるようになりましたが、それらのアプリを買った人の多くは時間とお金の両方をムダにすることになります。なぜなら、ほとんどのアプリでステルスマーケティングが行われているからです。

 画像は1月26日のiPhoneアプリの有料ランキング(総合)をキャプチャしたものです。1位から9位まで7本の電子書籍アプリがランクインしており電子書籍が大人気のように思えますが、これらのアプリではサクラによるレビュー工作が行われています。

特定の会社のアプリばかり高評価する謎のレビュアー軍団

 以下の画像はR25の電子書籍を販売している株式会社Media Shakersのアプリのレビュー画面です。たとえばこのサクラのように、ひとつの会社のアプリにだけ高評価のレビューをつけているとサクラであることがバレバレです。

 しかし、ランキング上位でみかける株式会社アドベンチャー、アクセルマーク株式会社、そして株式会社ユナイテッド・ブックスのサクラレビューは、サクラであることが一目では分からないよう上手に隠しています。

 そのからくりを、現在ランキング1位の電子書籍アプリ『30倍速読術 ~往復の通勤時間で、年間600冊読めたら、人生が変わります~』のレビューを使って説明します。

 以下の画像は30倍速読術のレビューを一番最初に書いたユーザーのレビュー一覧をキャプチャしたものです。

 このレビュアーは一見するとサクラには見えません。電子書籍アプリをまともに評価している優良ユーザーのように見えます。しかし、次のようにほかのユーザーのレビューと並べることで分かりやすくなります。

 3人の人間が同じアプリを、同じ順番で、同じ日にレビューしています。こんなことは通常ならありえません。どれだけ興味が同じで、どれだけ速読スキルがあるのかと問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。お前、中の人じゃないのかと。

iPhoneからだとレビューがサクラかどうか分からない

 なぜこのようなステルスマーケティングが行われるのか? その理由のひとつに、iPhoneやiPadからだとレビューがサクラなのかそうでないのかを見分けられない仕組みになっていることがあげられます。

 画像はiPhoneからさきほどの電子書籍アプリのページを見たときのものです。iPhoneではアプリに対するレビューは見れても、そのレビュアーのほかのアプリのレビューは見られません。つまり、ユーザーが自分でレビューの信憑性を調べることができないのです。

 株式会社アドベンチャー、アクセルマーク株式会社、そして株式会社ユナイテッド・ブックスはこのようなサクラレビューを繰り返し行い、ユーザーを騙して自分たちの電子書籍を購入させています。

この会社のアプリはすぐ買ってはいけない

 ただ、3社がこうしたサクラレビューを繰り返した結果、すぐに“買ってはいけない会社”が分かるようになりました。

 そこで、それらの会社をまとめたリストを以下に作成しました(括弧内は会社名)。リストの会社が販売している電子書籍は、たとえ高評価でもAmazonや楽天などほかのサイトのレビューをチェックしてから買うようにしましょう。

 まずは株式会社アドベンチャー系列です。

  • 株式会社アドベンチャー(株式会社アドベンチャー)
  • Adventure Hong Kong Company Limited(株式会社アドベンチャー)
  • AOYAMA Publishing Co., Ltd.(青山出版社)
  • ASA Publishing Co.,Ltd.(あさ出版)
  • Ikeda Publishing Co., Ltd.(池田書店)
  • cybersellars(サイバーコンサルタント)
  • mediamarketcojp(サイバーコンサルタント)
  • FUSOSHA Publishing Inc.(扶桑社)
  • Futami Shobo Publishing Co., Ltd.(二見書房)
  • Investment(メディアタブレット)
  • MediaTablet Inc.(メディアタブレット)
  • Keizaikai Co.,Ltd.(経済界)
  • Ken Publishing Service Co.,Ltd.(こう書房)
  • LEED Publishing CO.,Ltd.(リイド社)
  • LONGSELLERS(KKロングセラーズ )
  • OHTA PUBLISHING COMPANY(太田出版)
  • openapps(オープンアップス)
  • SANGOKAN, Inc.(三五館)
  • SHIBATASHOTEN(柴田書店)
  • SHINKO MUSIC ENTERTAINMENT CO.,LTD.(シンコーミュージック)

 次にアクセルマーク株式会社系列。

  • AXEL MARK INC.(アクセルマーク株式会社)
  • AXEL Best Sellers(アクセルマーク株式会社)
  • AXEL Million Sellers(アクセルマーク株式会社)
  • FOLCOM, Inc.(アクセルマーク株式会社)
  • NATULUCK, inc.(アクセルマーク株式会社)
  • Chichi Publishing Co.,Ltd.(致知出版社)
  • HPS, Inc.(HPS)
  • H&H Human International, Inc.(H&H Human International)
  • MMB, Inc.(MySpace Music Bank)
  • ZIPANG Media communications Co.,Ltd(ジパング・メディアコミュニケーション)
  • カナリア書房(カナリア書房)

 最後が株式会社ユナイテッド・ブックス系列となります。

  • ユナイテッド・ブックス(ユナイテッド・ブックス)
  • UB apps(ユナイテッド・ブックス)
  • United Books Inc.(ユナイテッド・ブックス)
  • CARD BOOK JAPAN(ユナイテッド・ブックス)
  • Book21(Book21 Publishing )
  • seitosha(西東社)

サンプル画像で買ってはいけない会社を判断できる

 さきほど説明したとおり、iPhoneやiPadからだとステルスマーケティングアプリなのかそうでないのか分からないのですが、じつはアプリのサンプル画像から判断する方法があります。

 それは、ビューアーのデザインを見ること。会社の系列ごとに同じビューアーシステムを採用しているため、ステルスマーケティングが行われているアプリのサンプル画像には以下のような特徴があります。

 アドベンチャー系列やユナイテッド・ブックス系列は下部のメニューバーの色が青色、アクセルマーク系列は上部のメニューバーの色が茶色です。気になる電子書籍アプリを見つけたとき、メニューバーの色がこれらだったときはよく注意してから買うべきです。

サクラレビューはパッケージ商品のメニューになっている

 なぜ複数の会社にまたがってサクラレビューが行われているのか? その答えはおそらく、ビューアーシステムを販売している会社がパッケージ商品のメニューのひとつとして提供しているのだと思われます。

 自社だけ儲かればいいのであれば、わざわざほかの会社のアプリを購入してまで高評価をつける必要はありません。たくさんある無料アプリのなかからいくつかを選び、適当なレビューを書けばいいだけです。

 しかし、これらのサクラレビューを書いているレビュアーたちはその会社の系列のシステムを採用している電子書籍アプリにしかレビューを書きません。

 こうすることで利益が生まれる会社。つまり、これらの電子書籍システムを売っている会社が行っていると考えるのが妥当なわけです。

サクラレビューは電子書籍の未来を壊す

 こうしたステルスマーケティングを行えば、短期的には電子書籍アプリの売上げがあがります。しかし、高評価なのにつまらない本を読まされたユーザーたちは、電子書籍にどんな思いを抱くでしょうか?

 ランキング上位がつまらない本だらけの電子書籍の世界。それは芽吹きつつある電子書籍の未来を壊すことにほかなりません。すでに、iPhoneユーザーからは怒りの声があがっています。

 画像は最初に紹介した電子書籍アプリ、30倍速読術の1月27日のレビュー欄、つまり翌日のレビューです。ユーザーを騙した結果、たしかにランキング1位は獲得できましたが評価は★1の嵐です。

 いったい、こんなことをして誰が幸せになるんですか? サクラレビューによるステルスマーケティングは百害あって一利なし。一刻も早くやめるべきです。

 続報があります→iPhoneの電子書籍アプリのサクラレビューが削除される

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