デジタルマガジン

2012年01月17日 8:00

iPhoneを作る時給48円の仕事を奪われた少女は売春婦になる

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 中国広東省深センにあるフォックスコン(Foxconn)のiPhone製造工場で、13歳の少女が時給48円で働かされていることを取り上げただけの記事がありましたが、いったい何を主張したいのでしょうか。

 あなたのiPhoneは13歳少女が時給48円で作る – 速報:@niftyニュース

 13歳の子どもが働いているのがひどい? 日本の時給と比べて48円は低すぎる? iPhoneは児童労働のうえで成り立っている商品だと指摘したい?

 先進国の目線から見てひどいと感じる事実がただ並べてあるだけで、記者が何を訴えたいのかが分かりません。文章通り、このようなひどい事実があるということを訴えたいのでしょうか?

 しかし、先進国の事情で少女から労働を搾取すれば少女は売春婦になってしまいます。

 世界の貧困を調査しているノンフィクション作家、石井光太さんの著作『ルポ 餓死現場で生きる』(ちくま新書)にこんな現実が書いてあります。

 かつてケニアのコーヒーの産地にある村を訪れたとき、不思議なことに女の子が非常に少ないことがありました。村の人は次のように説明しました。

「数年前に、欧米のNGOがやってきてプランテーションから子供を一掃したんだ。そのせいで、子供は地元で働けなくなってしまった。それで仕方なく、他の町に家政婦として出稼ぎにいくことになった。それで若い女の子が減ってしまったんだよ」

 若い女の子が都会へ家政婦として働きにいくといえば聞こえはいいかもしれません。しかし実態は、その何割かは売春の道に進まされます。つまり、プランテーションでの仕事が奪われたことで、より過酷な児童労働にさらされてしまっているのです。

 『ルポ 餓死現場で生きる』第二章 児童労働の裏側 57~58ページより

 その国の事情を知らない人間の身勝手な正義で子どもたちから労働を奪った結果が、子どもたちはさらにひどい児童労働へと追いやられてしまっているのです。

 ボクらがしなければいけないことは、時給48円で働いている13歳の少女を可哀想に思うことではありません。必要なのは今、日本で困っている人を助けることです。

 かのマザー・テレサも、1981年4月の初来日の際に以下のメッセージを日本人へ送っています。

 日本人はインドのことよりも、日本のなかで貧しい人々への配慮を優先して考えるべきです。愛はまず手近なところから始まります。

 自国で困っている人を助けることすらしていない人が、他国の人を助けられるわけがありません。家を失った人、親を失った子、ボクたちは他国の貧しい人に同情する前にまず、このような人たちを救うことから始めなければいけないのです。

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