西ミシガン大学が日本の漫画や小説などの古本の寄付を募集中
記事公開日:2011/01/17 20:00 | 最終更新日:2011/01/20 16:40
アメリカ北東部、ミシガン州にある西ミシガン大学で日本文学と翻訳論を教えているジェフリー・アングルス教授が「教材のために日本語の古本を寄付してください」とインターネット上で寄付を呼びかけています。
ジェフリー教授によれば、ミシガン州は自動車産業が経済的なベースだったため今は経済的に貧しく、州立の西ミシガン大学は新しい本を大量に購入する予算がないのだそうです。
そのため、ジェフリー教授は自分のwebサイトにて「もう読まなくなった本を日本語を学ぶ学生のために寄付して欲しい」と日本のインターネットユーザーに呼びかけています。ネットの“伊達直人”にあなたもなってみませんか?
気になる送付方法ですが、ジェフリー教授が2011年3月1日まで滞在している東京大学のインターナショナル・ハウスに送るだけ。段ボールでも封筒でも大丈夫です。読者の皆さんのいらない本、ブックオフに売るぐらいなら送ってあげてください。
なお、募集している本のジャンル、送られても困る本のジャンルをジェフリー教授に電話で伺ったので下記に掲載しておきます。ご協力をよろしくお願いします。
募集している本(1月20日11時20分アップデート)
- 純文学:近現代の日本文学、日本古典文学など。しかし、翻訳本はご遠慮
ください。 - 文学全集:一度にたくさん揃うのでとくに助かります。最新版ではなく
ても結構大丈夫です。 - 漫画:メジャーな漫画(手塚治虫、竹宮恵子、浦澤直樹など)で揃っているものをお願いします。同人誌はもうお腹いっぱいです。
もういっぱい揃いました! ありがとうございます!
- 大衆文学:推理小説、恋愛小説、ホラー小説、ノンフィクションなどのいわゆる人気小説など。
- 子供向けの絵本:初級レベルの日本語の学生が読みます。
- 国語の教科書:初級レベルの日本語の学生が読みます。
- 新書:日本文化を紹介するために、とても役に立ちます。
- 詩集:詩は短いから、授業で使いやすいです。
- 歴史の本:日本文化を知るためにとても役に立ちます。
- 芸術の本:展覧会のカタログとその他の日本の美術を紹介するもの。
- 翻訳文学:日本からの留学生が読みます。
- ライトノベル:オタクっぽい人たちがいっぱいいるので喜ぶと思います。私も読むかも。
- 少女漫画、BL漫画:大歓迎です。『風と木の詩』は女子学生に大人気でした。
- 実用書:料理の本や旅行ガイド、囲碁の本など日本の文化について書かれたものが授業で使いやすいです。
- 同人誌:アメリカにはそのようなものを集めている場所はほとんどないので文化の紹介として役立ちます。
送られると困る本
- 国語以外の教科書:学生たちは読まないと思います。
- 雑誌:何年もかけて号数を揃えなければ意味がないため、寄付による運営では難しいです。
- 自炊後の本:断裁された本は再製本しない限り図書館には入れられないと思います。
- あまりにも汚れがひどい本
そのほか本を送るにあたって気になることを質問してみました。お電話に付き合って頂いたジェフリー教授に感謝します。
篠原:送る本についてなんですが、やっぱり古い本なんで……、つまり、汚れていても大丈夫ですか?
ジェフリー教授(以下ジェフリー):ページの角折れやちょっと線を引いたぐらいなら大丈夫です。私も図書館から借りた本にマーキングがあった経験があります(笑)。飲み物をこぼしたシミも1滴、2滴なら大丈夫です。ただ、すべてのページにハイライトがあったりすると司書から突っ込まれますのでどうかよろしくお願いします。
篠原:実用書も募集していましたが、スポーツなどの実用書についてはどうなのでしょうか?
ジェフリー:野球やサッカーなど、少しはあっても良いとは思いますがたくさんあると困ります。学生たちもあまり読まないと思うので。
篠原:有名な本などは重複してしまうと思うのですが、そのあたりはどうするつもりなのでしょうか?
ジェフリー:リストを作って公開する予定ですが、どこまで対応できるか不安です……。
篠原:日本人にはそのあたりを心配する人が多いと思います。思い切って重複を気にせず集めてみてはどうでしょうか? 重複している本はブックオフなどに売り、違う本と(結果として)交換する、などという方法もとれると思います。
ジェフリー:ありがとうございます。送ってくださった方が許して頂けるならそうして新しい本を学生たちに持ち帰りたいと思います。
篠原:漫画や小説の巻数が抜けていても大丈夫ですか?
ジェフリー:古本屋などで揃えようと思います。気にせず送ってください。あまり古い本だと入手できそうにないですが……。
※篠原補足:ほかの人が抜けている巻を送っているかもしれないので悩まずに送ってあげてください。ないよりあった方が良いです!
篠原:ライトノベルは募集していますか?
ジェフリー:ライト、ノベル? ライト小説? なんですか、それ?
篠原:えーっと、説明が難しいのですが、カンタンに言うと日本の中高生以上のオタクな男性たちがよく読んでいる小説です。
ジェフリー:Oh! 知りませんでした! そういう本はぜひ送って欲しいです。学生たちも読みやすいでしょうし、何より(日本語を学んでいる)彼らの多くはオタクっぽいことが大好きです。
篠原:ということは、同人誌も大丈夫ですか?
ジェフリー:大丈夫です。そういった本があることは面白いですし、好きな人も多いと思います。問題ありません。
篠原:18禁の内容が多いのですが、大丈夫ですか?
ジェフリー:すみません。ちょっと言葉の意味が分からないのですが……。
篠原:……えーと、エロ本でも大丈夫ですか?
ジェフリー:大丈夫です。情報は自由である、というのが西ミシガン大学の校風なので、そういう本があっても違和感はありません。ただ、児童ポルノには厳しいので少女の裸が写っている写真集などは送られても困ります。
篠原:分かりました(笑)。ネットショップなどで購入した本の送り先をそちらに指定しても大丈夫でしょうか?
ジェフリー:問題ありません。
篠原:webサイトに礼状を送る、と書いてありますが必要ない人はどのようにすれば良いでしょうか? たとえば名前に伊達直人やタイガーマスクと書けば送られなかったりしますか?
ジェフリー:(日本の伊達直人ブームを聞いて)そういうこと起きてるんですね。対応できます。もしくは本を送って頂くときに住所を書かない方法や、「礼状不要」など一言メモが添えられていると対応しやすいです。
篠原:集めた日本の本はどのように使われるのでしょうか?
ジェフリー:読みながら日本語の勉強をしたり、読んで日本そのものについて勉強します。これまでは教授やインストラクターが学生たちに読ませたい本を見つけていましたが、今は本自体がないので学生たちはインターネットで探して読んでいます。
日本語の勉強に熱心な学生はもっと日本語の活字を読みたいと希望していますが、希望の本を1冊1冊ほかの大学に貸し出し依頼をしなければいけません。ちょっと前ですが、日本の作家の石川淳を研究したいという学生もいました。
また、大学には翻訳講座もあって、日本語から英語に翻訳するという授業もあります。これも今はインターネットから文章を探しているような状態です。だから、日本の本があるとすごく助かるんです。
篠原:ところで、西ミシガン大学ってどんな大学なんでしょうか?
ジェフリー:かなり大きい学校です。学生は2万人以上います。大学にはミシガン州の田舎やシカゴのデトロイトなどの大都市から集まっています。かなりの田舎の方や、あまり恵まれていない家庭から来ている学生もいます。
そんな学生たちが日本語が面白いといって日本に興味を持ち、初めて“世界”と触れあうことができるんです。留学のプログラムも盛んで、日本に留学を希望する学生は費用も安く行けます。彼らを育て、日本に送ることが私の仕事です。
篠原:最後に、日本の学生に向けて西ミシガン大学の魅力を紹介してください。
ジェフリー:キャンパスはとにかく広くてキレイです。カラマズーという人口7万人の小さな街にあるのですが、学生数が多いので人口の30%が学生という状態です。だから、若者生活が盛んでとても楽しいと思います。
毎年、西ミシガン大学には立命館、慶応大学、日本大学からの留学生に来て貰っていますが、彼らはものすごく喜んでいます。なぜなら、とてもとけ込みやすくてすぐにアメリカ人の友達がたくさんできるからです。ニューヨークなどの大都市に行くと外国人の数が多いので、アメリカらしい生活は難しいと聞いています。
西ミシガン大学は日本人の留学生を歓迎しています。
篠原:ありがとうございました。
ここまで読んでもし本を送っても良い、という方がいましたら下記リンク先の住所に送ってください。申し訳ありませんが、送料は寄付者負担でお願いします。
なお、寄付して頂いた本の後ろには寄付者として名前が書き込まれ、西ミシガン大学図書館からの礼状が後ほど送られて来るそうです。本棚や押し入れで眠っている本があれば、西ミシガン大学の学生のために送ってあげてください。よろしくお願いします。
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