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2010年11月12日 13:47

痴漢冤罪の恐怖。膠原病で指が動かなくても推定有罪で懲役1年10ヶ月

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 男性は電車に乗るのはやめましょう! 膠原病の一種である限局型全身性強皮症のために指が動かなくなり、それが理由で教師の職業まで辞めた男性が痴漢をしたとして有罪判決を受けていたことが分かりました。

 この事件は2ちゃんねる元管理人のひろゆきさんが紹介して昨日から話題になっていたのですが、詳しく調べてみるとすでに上告も棄却されており刑が確定。犯人とされた男性は刑務所で朝の7時30分から午後4時まで1日30円という賃金で働かされているそうです。

 痴漢冤罪が疑われている男性の名前は小林卓之さん(事件当時65歳)。医師から難病の膠原病強皮症と診断されており、指の間接が硬直し、動かせない状態でした。そのために、36年間勤めた小学校の教師も退職されたそうです。

 そんな男性がなぜ痴漢の容疑者として逮捕されなければいけないのか? 原因は犯人の顔も見ていない、一人の男性による私人逮捕でした。

 報道されている内容によれば、事件当時、西武池袋線の満員電車の中で一人の女性が痴漢されており、その女性が後ろにいる男性に助けを求めたそうです。それを見たのか犯人は人混みに紛れて電車の奥深くへ。そして5~6分後、駅に到着して降りたところで捕まえられたのが、小林さんだったそうです。

 捕まえた男性の証言によれば、犯人が着ていたのはお尻まで隠れるような白いハーフコート。しかし、小林さんが着ていたのはジャンパーで、それも腰までの長さしかないものでした。被害にあった女性も、逮捕した男性も犯人の顔は見ていません。

 小林さんは人違いだと主張しましたが、一審判決は有罪。裁判官によれば「服装の裾の長さが違っても不自然ではなく証言は信用できる。膠原病で人差し指は動かなかったかもしれないが、中指は動くだろうから理由にならない」として(逮捕後に中指も痛みがあって動かないとの医師の診断書を証拠採用せずに)無視されました。疑わしくても、完全に否定できなければ有罪なんです。

 さらにこの一審の判決を下した裁判官は判検交流という人事制度によって検察庁から出向してきていた裁判官で、この判決の1ヶ月後には検察官に戻っていたそうです。1ヶ月後に戻る職場に対して「この痴漢は冤罪だ」との判決を下せる検察官(判決当時は裁判官)がいるでしょうか? この人事制度は裁判の公正を損なうと日本弁護士連合会などからも指摘されています。

 そしてこの事件でとても残念なのは膠原病の薬が収監されている小林さんにきちんと与えられていないことです。事件担当の検事は「薬は言えば出して貰える」と話していたそうですが、いざ刑務所に入ってみれば裁判のストレスで患ったという脳梗塞の薬は4種類中2種類、膠原病の薬も4分の3しか渡されず、さらに指先の壊死を防ぐために週3回は受けていた静脈注射は3週間経った今でも1度も打たれておらず、面会した家族によれば指先は蝋人形のように真っ白、爪も紫色に染まっていたそうです。そのうえ薬の件について抗議しても刑務所の担当官は「それはあなたと検事の約束であって私たちとの約束ではない」と取り扱ってくれないそうです。

 詳しい情報を知りたい人は下記にこの事件を詳しく説明してくれているブログを掲載しておりますので、そちらでご確認ください。同じ男性として、というよりも人間として許せません。“疑わしきは被告人の利益に”の原則はどこに行ってしまったのでしょうか?

 つぶやきいわぢろう | 痛くて指が動かなくても痴漢という不思議

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