デジタルマガジン

2010年04月15日 12:00

『マジコン』は“違法”という考え方は危うい

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photo:gin.nama4

 先日の“『マジコン』の被害総額が数兆円という嘘”という記事に多くの反響を頂いた。ただ、その中で気になるコメントがいくつかあった。それは「マジコンは“違法”」というものだ。この考え方は、危うい。

 こんなことを書くと「またマジコン擁護か」「お前マジコン使ってるんだろ?」とレッテルを貼られるのだが、ゲーム業界のためにマジコンで注目を集めている今こそ伝えるべきだと思うので書くことにした。

 まず、結論から言おう。『マジコン』は“違法”ではない。

 『マジコン』は許せない存在ではあるが、これ自体はじつは違法ではない。まずそれを頭に入れておこう。でなければ議論もそれについての対策もおかしくなってしまう。マジコンは違法ではない、違法なのは海賊版ゲームソフトの方だ。

正すべきはゲームユーザーの意識

 『マジコン』による被害をなくすためにはどうすれば良いか? マジコン自体は違法ではないため取り締まれない。また、インターネットのサイト上にアップされている海賊版ゲームソフトをダウンロードすることも、また、違法ではない。

 たしかに、今年の1月1日に改正著作権法が施行され“ダウンロード違法化”となったが、じつはこの違法対象にゲームソフトなどのプログラムは含まれていないのだ。業界のロビー活動が足りなかったのか、政治家がゲームに疎かったのかは分からないが、違法の対象にならなかったのは事実である。

 では、何が違法なのか?

 それは海賊版ゲームソフトをインターネットなどで頒布する行為だ。だが、これはすでに取り締まりも行われており、私たちがどうこうできるものでもない。知っていればやめさせることもできるが、そうした人たちの多くは姿が見えない。

 それでは「何もできないじゃないか」となりそうだが、それも違う。多くの人が声をあげることによって、ゲームユーザーの意識を正すことができるのだ。その時に「マジコンは違法」「ゲームソフトのダウンロードは違法」という間違った認識をもとに叫んでも、彼らは耳を塞いでしまうだろう。「お前は法律を犯してるんだ!」と叫ばれて、その声を真剣に聞こうとするとは考えにくい。

 そうした極論よりも「マジコンによってこういう弊害が起きている」「被害金額がこれだけあり、そのため潰れている会社もある」といった事実を伝え、末端のゲームユーザーの意識を正していく方が有効だと私は考える。そのため、先日の記事では“被害金額の嘘”について書いたのだ。大げさに出した数字では、脅すことはできても、良心には響かない。

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