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2010年03月19日 19:00

人間、ドラゴンボールのピッコロになれた。遺伝子操作で失った人体の再生が可能に

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photo:the_tjb

 これまで人体の再生は漫画やアニメの世界だけのものだったが、これからは違う。遺伝子操作の力によって、人間は失ったパーツを取り戻すことを可能にした。切断された手足も、折れた背骨も、そして脳すらも再生できるのだ。

 この驚異の研究はアメリカ、ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるウィスター研究所にて進められているもので、“p21”と呼ばれる遺伝子を意図的に不足させる(もしくは機能させない)ことで失われたパーツの再生が可能になるという。

 “p21”遺伝子は両生類などの一部の生物にとって細胞の再生を手助けする遺伝子だが、それ以外の生物にとってはその再生を妨げる働きをしていることが分かった。そのため、この“p21”遺伝子の機能を停止することによって、人間は再び成長することができるのだ。

 通常、哺乳類は傷跡を作ることによって傷の再生を行うが、この“p21”遺伝子を欠乏させたマウスは、傷を再生するためにまずBlastema(芽体:成長が可能な細胞の集団)を作ることから始めるそうだ。

 ウィスター研究所の研究者によると、これらのマウスの細胞は大人の哺乳類の細胞の再生というよりも、むしろES細胞のような再生の働きをみせたという。この研究結果は、米国科学アカデミー紀要に組織再生と細胞分裂の制御を関連づける証拠として提出されている。

 研究では耳を失ったマウスに対して“p21”遺伝子を停止させたところ、再び耳を生えさせることに成功したという。研究者らは研究がまだ初期段階であると話しているが、同じプロセスを人間に適用させることに理論的な問題は全くないという。

 この研究を主導しているエレン・ヒーバー・カッツ教授は「これらのマウスは、手足を失った両生類と同じように失った組織が傷跡になる前に健康な組織と入れ替えます。さらに研究が進めば、一時的に“p21”遺伝子を不活性化することで人間でも同じようなことができるようになるでしょう。

 ただし、気を付けなければいけないのは“p21”遺伝子は正常な細胞の中では遺伝子の細胞周期進行を抑える働きをしていることです。これは、正常な細胞が分裂を起こしてガンになることを防いでいます。そのため我々は、傷口の“p21”遺伝子だけを停止させる治療法を提案します。どんな副作用も最小にしなければなりません。治療は薬によって可能になるでしょう」と語っている。

[ via Telegraph ]

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