デジタルマガジン

2010年02月18日 8:00

『味ぽん』の“ぽん”って何かミツカンに聞いてみようとした

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 鍋類などでよく使われる調味料、『味ぽん』。じつは、ずっと思い続けてきたことがある。『味ぽん』の“ぽん”って何なんだ?

 普通に考えれば『味ぽん』の“ぽん”は『ポン酢』の“ぽん”だろう。でも、確証がない。そんなわけで正解を問い合わせるため、ミツカンのホームページにお邪魔した。

 そしてお問い合わせから連絡先を探していると……、なんと! 答えが書いてあったのだ! 問い合わせるお客さん、多かったんでしょうね……。その、なんか、すいません。

Q.ご質問

 味ぽんのぽんってなに?

A.回答

 かんきつ類をあらわすオランダ語のポンス(pons)に由来する言葉です。かんきつ果汁に醸造酢を加えた“ぽん酢”を醤油で味つけした「味付けぽん酢」という言葉を縮めて、“味ぽん”と呼んでいます。

 Q&A詳細:お客様相談センター│ミツカングループ商品・メニューサイト

 なるほど! 『味付けポン酢』という言葉を縮めて『味ぽん』なのか! これは勉強になった。しかし、次の疑問が沸いた。

 じゃあポン酢の“ぽん”って何なんだ?

 ミツカンの回答から推測するとポンスが濁ってポン酢になったというのが一番近そうだが、正解とは言えない。そこで、どうして『ポン酢』と呼ぶのかを調べた。

Wikipediaクンの答え

 ポルトガル語の語源であるポン(Pom)に由来。なお、ポルトガル語で果樹園をポマール(pomar)という。オランダ語ではポンス(pons)という言葉があり、同様に柑橘類およびその果汁を意味する。

 ポン酢 – Wikipedia

 つまりおそらくは江戸時代などに出島を通じてオランダからpons(柑橘類の果汁)が入ってきて、そこに酢を加えたものがいつしかポン酢と呼ばれるようになったということだろうか?

 ……なんだか納得がいかない。音の読みが似ているからと言って舶来品がそんなにすぐに庶民に定着するだろうか?

 そもそもponsの意味は本当に柑橘類の果汁のことなのか? オランダ語の辞書をひいた。

ponsとは英語でpunchのこと

 辞書にはpons=punchと書いてある。英語でpunchとはブランデーやラム酒などのお酒に果汁や砂糖を加えた飲み物のことである。この飲み物、ポンスとも呼ぶ。……お酒が、ポンス?

 果汁に酢を入れるのは保存性を高めるためだ。しかしponsがパンチ(ポンス)、つまりお酒なら酢を入れるということはありえない。Wikipediaクン、不正解なんじゃないだろうか?

ああ悲しきは日本人の勘違い

 さらに詳しく調べてみると、出島のオランダ商館にはポンスの作り方が書かれた文献が存在していることが分かった。たしかに日本にもポンスは伝わっていたのだ。だがしかし、それならばなぜ酢を入れてしまったのだろうか?

 ここに、江戸時代の日本人の勘違いがあった。

 じつはこれまでレモンやオレンジなどの柑橘類にあまり触れることがなかった日本人は、ポンスの作り方に必要な材料、つまり柑橘類の果汁をポンスと呼ぶようになってしまったのだ。

 そしてその保存性を高めるために酢を入れ、いつしかソウル・フードである醤油が入れられ、それがポン酢醤油、『ポン酢』として流通するようになったというわけだ。

 絶対にこれが正解というわけではないだろうが、長年の疑問が解決してスッキリである。ぜひ酒の席でのうんちくに使って頂きたい。

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