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読売の「楽天が1件10円で情報提供」報道とGigazineの飛ばし記事指摘に対する見解

 

記事公開日:2009/06/05 23:15 | 最終更新日:2009/06/08 09:42

 本日、読売新聞が“楽天、出店企業に顧客情報…中止表明後も1件10円で”という記事を報じました(夕刊でも一面で報道)。また、それに続く形で毎日新聞共同通信朝日新聞が同様の記事を報じています。この記事では(第一報であり一番詳細な)読売新聞報道についてのデジタルマガジンの見解を記します。

読売報道とGigazine報道は別物

 読売の記事とGigazineの記事は似て非なるものです。コメント欄に突撃する前に、そのことを確認して頂けると(コメント欄の対応的な意味で)とても助かります。

 まずは、Gigazineの記事と楽天の記事を比較します。

Gigazineの記事

 【楽天、利用者のメールアドレスを含む個人情報を「1件10円」でダウンロード販売していることが判明

 【楽天市場に登録した個人情報のほとんどを各ショップは閲覧することが可能で、なおかつメールアドレスを含む個人情報については楽天市場自身が各ショップに1件10円でダウンロード販売しているとのこと。ダウンロードはCSV形式のファイルによって可能となっており、楽天市場を利用しているユーザーの個人情報がまさに「商品」として楽天から各ショップに販売され、だだ漏れになっている実態が明らかになりました。】

YOMIURI ONLINE(読売新聞)の記事

 【楽天、出店企業に顧客情報…中止表明後も1件10円で

 【「楽天市場」を運営する楽天(東京都品川区)が、東証1部の上新電機(大阪市)を含む複数の出店企業に商品購入者などのクレジットカード番号とメールアドレスを1件10円で提供していたことが5日、わかった。】

GigazineとYOMIURI ONLINE(読売新聞)の違い

 一見すると上記2つの記事は同じ事を書いてあるかのようにみえますが、じつは違います。ポイントは“販売”と“提供”です。言葉遊びのようですが、法的リスクの問題で非常に重要です。

 “10円で販売”は個人情報を商品として売っていることになります。“10円で提供”は読者からみれば個人情報を売っているように思えますが、“10円の手数料を取って提供”していると言い換えることができます。ここが違いであり、そして読売記事のうまいところです。

 販売という記事に対して、楽天は事実誤認であると反論できます。それは、楽天はシステムの利用料に10円を科しているだけだからです。しかし、提供という記事に対しては事実誤認だと反論できません。なぜなら、実際に1件10円(のCSVダウンロード利用料)で提供しているからです。面白いことに読売はこのCSVダウンロード利用料について一切触れていません。ただ、10円で提供しているとのみ書いています。

 ここで、デジタルマガジンが飛ばしだと書いた記事と、Gigazineの記事を比較します。

Gigazineの記事

 【楽天、利用者のメールアドレスを含む個人情報を「1件10円」でダウンロード販売していることが判明

 【楽天市場に登録した個人情報のほとんどを各ショップは閲覧することが可能で、なおかつメールアドレスを含む個人情報については楽天市場自身が各ショップに1件10円でダウンロード販売しているとのこと。ダウンロードはCSV形式のファイルによって可能となっており、楽天市場を利用しているユーザーの個人情報がまさに「商品」として楽天から各ショップに販売され、だだ漏れになっている実態が明らかになりました。】

デジタルマガジンの記事

 GIGAZINEが「楽天が個人情報を1件10円で販売している」と全力で飛ばし記事

 GIGAZINEがなにをもって“個人情報をダウンロード販売している”と声高に叫んでいるのかというと、楽天市場が各ネットショップに提供している『CSVデータダウンロードサービス』の利用料が、顧客1件につき10円かかることに基づいています。

 (このCSVダウンロードできる情報は)受注情報やプレゼント情報。つまり、この『CSVデータダウンロードサービス』でダウンロードできる顧客情報は、そのショップに注文を出したお客さんの個人情報なのです。

 『CSVデータダウンロードサービス』ではそのネットショップに注文した顧客の個人情報しかダウンロードできません。それをGIGAZINEはある程度の規模があればどこでもダウンロードできるように書いているのです。

 ※2段落目の()内は文章のつながりのために記者が追加記入。

デジタルマガジンが飛ばしだと主張した部分

 デジタルマガジンが飛ばし記事と指摘したのは、「楽天市場が個人情報を1件10円でダウンロード販売している」「各ショップは楽天市場を利用した顧客の個人情報を自由にダウンロードできる」と、Gigazineが書いている部分です。

 この主張は読売による記事を読んだあとでも変わりません。Gigazineの“個人情報1件10円DL販売”“個人情報のほとんどを各ショップが閲覧可能”報道は飛ばしです。読売は“1件10円提供”“DLできる情報は購入顧客とプレゼント申込顧客”と(一応は)きちんと書いてあります。

 おそらくデジタルマガジンに対して突撃している人は、それぞれの記事本文をよく読んでいないか、またはGigazineの1件目の記事をデジタルマガジンが飛ばしと指摘したと勘違いしているのではないでしょうか。

 なお、メールアドレスの流出疑惑については「楽天市場の店舗側から漏れている可能性が高い」と、前回の記事でデジタルマガジンも触れています。

まとめ

 繰り返しますが、Gigazineの記事と読売の記事は別物です。なぜか「大手の読売が報じた!」と諸手を挙げて鵜呑みにして批判してくる人がいますが、Gigazineの記事、そして読売の記事をよく読み比べて下さい。どちらも誘導している方向は同じですが、言っていることが決定的に違います。

 また、読売の記事では楽天がクレジットカード情報提供の延長を告知したこと、そしてCSVダウンロード利用料のことも記述していません。さらに、上新電機からのコメントととして「購入している」と書き、読者に販売(記事内には一文も書いていない)と勘違いするよう誘導しています。

 どんな説明や見解をしようと突撃してくる人がいるとは思いますが、こちらのコメントでも読んで少し落ち着いてみてはどうでしょうか? 2ちゃんねるユーザーにはこっちのコメントの方が良いかもしれません。

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