GIGAZINEが「楽天が個人情報を1件10円で販売している」と全力で飛ばし記事

GIGAZINEが楽天から風説の流布で訴えられるレベルの飛ばし記事を書いています。その内容があまりにも恣意的でひどいものなのでお伝えします。
まずGIGAZINEの記事タイトルがコチラ。
見て分かる通り、メールアドレスを含む個人情報を1件10円で販売していると書かれています。これが事実ならそれはそれは大変なことです。楽天は個人情報保護方針として利用範囲を「当グループのサービス提供にあたって必要な利用」と定めているため、もしも事実なら個人情報保護法違反となります――あくまで事実なら、です。
GIGAZINEがなにをもって“個人情報をダウンロード販売している”と声高に叫んでいるのかというと、楽天市場が各ネットショップに提供している『CSVデータダウンロードサービス』の利用料が、顧客1件につき10円かかることに基づいています。
これをGIGAZINEでは
【楽天市場に登録した個人情報のほとんどを各ショップは閲覧することが可能で、なおかつメールアドレスを含む個人情報については楽天市場自身が各ショップに1件10円でダウンロード販売している】
と言っているのです。
ハッキリ言います。大間違いです。
ここでGIGAZINE自身がアップロードしている、『CSVデータダウンロードサービス』についての説明文が掲載されている画像を見てみましょう。説明文の1行目にはこう書かれています。

【受注情報やプレゼントの当選者情報等をCSV形式にてデータダウンロードすることにより、受注処理能力を上げることが可能です。】
受注情報やプレゼント情報。つまり、この『CSVデータダウンロードサービス』でダウンロードできる顧客情報は、そのショップに注文を出したお客さんの個人情報なのです。ネットショップで注文する時にメールアドレスをネットショップに教えない顧客がどこにいますか?
そしてGIGAZINEはこう続けます。
【月間売上が1000万円以上あるか、月間注文数が1000件以上のショップの場合は、審査が通ればこのCSVデータダウンロードサービスによって、メールアドレスも一気にゲットできるというわけです。基準に満たない場合も別途相談すれば何とかなるらしいことが書いてあり、はっきり言ってめちゃくちゃです。
楽天市場に登録した個人情報が外部に流出する可能性は極めて高い
最終的には個人情報の扱いがすべて楽天市場の各ショップの責任になってくるとはいえ、その個人情報をショップに売って儲けているのは間違いなく楽天です。】
もう呆れ果ててしまいます。この『CSVデータダウンロードサービス』はネットショップに届いた注文情報をメールから手動コピペする手間を省くためのシステムです。メールアドレスはGIGAZINE自身も書いているように、届いた注文メールから手作業で取り込めば入手することが可能です。わざわざお金を払う必要はありません。
繰り返しますが『CSVデータダウンロードサービス』ではそのネットショップに注文した顧客の個人情報しかダウンロードできません。それをGIGAZINEはある程度の規模があればどこでもダウンロードできるように書いているのです。
ある程度の規模に限っているのは、どこでも取り扱いを認めると個人情報の取り扱いに問題が出るため。つまり楽天は個人情報を遵守しているからこそこのような手法を取っているのです。月間100件の注文しかないネットショップがわざわざCSVデータでメールアドレスを取得する方がおかしいと思いませんか?
さらにGIGAZINEの暴走は続きます。
【楽天自身もこの問題は十分認識しており、その証拠として先ほどの「Q.CSVデータダウンロードサービスでメールアドレスを取得したい」にて以下のような差入書の提出を義務づけています。】
個人情報保護のことを全く理解できていない発言です。(たとえ個人情報保護方針に明記してあっても)協力会社に個人情報を渡すとなると、その情報を外部に漏らさないという契約を締結します。協力会社から漏れた場合、楽天の責任になるからです。そのため、漏らしませんという契約を結ぶのです。
そのうえ、GIGAZINEがアップしている差入書を読めば分かるのですが、この差入書はダウンロードしたメールアドレスに対して、楽天市場以外のキャンペーン、外部への誘導を行わないということを誓わせるものです。ミスリードもいいところです。
医薬品通販規制のこの大変な時期に楽天をやり玉に挙げているところをみると、どこかからお金でも貰ってるんじゃないかと勘ぐりたくなってしまいます。楽天が個人情報を売買していると誤解させるこの飛ばし記事は最低です。日本一のブログを名乗るなら、もっとしっかりして欲しいものです。
なお、楽天が『CSVデータダウンロードサービス』などでお金を取っているのは、囲い込んだネットショップオーナーから儲けを得るためです。楽天は、お客さんとは楽天を経由しないと(大量の)連絡が取れないような仕組みを作っています。その仕組みを利用するために、イロイロとお金がかかるんですね。
この小銭をチマチマを毟るやり方に楽天市場を利用しているネットショップのオーナーは(おもに2ちゃんねるなどで)悲鳴を上げていますが、それとこれとは別の話なのでどうか皆さんもこんな飛ばし記事に騙されないようお願いします。
追記
クレジットカード情報云々という書き込みがあったため追記します。GIGAZINEでは
【中身は「通常購入データ.csv」「オークションデータ.csv」「プレゼントデータ.csv」「共同購入データ.csv」「資料請求データ.csv」「商品問合せデータ.csv」となっており、名字・名前・郵便番号・住所・電話番号・ニックネーム・メールアドレス・クレジットカード番号・クレジットカード名義人・クレジットカード有効期限といった各種個人情報が記載されています。】
と書いていますが、実際にGIGAZINEがアップしているサンプルファイルを確認したところ、クレジットカード情報は(非表示)となっていました。この場合はクレジットカード情報は非表示、メールアドレスは項目なし、が正しいのではないでしょうか。
そして、このCSVファイルにメールアドレスを追加するためのシステム利用料に1件10円かかるのだと思われます。
楽天以外で使っていないメールアドレスにスパムが届く
楽天を擁護する気はありませんが、次のことが考えられます。
- 楽天が漏らしている。
- ショップ側が漏らしている。メールアドレスは届くメールに書いてあるので、パソコンがウイルスに感染していると余裕でダダ漏れ。
- 総当たりで送られている(a@example.com, b@example.com, …)。
- 悪い人がこっそり売っている。
- 通信が漏れている、など。
僕が利用している楽天専用メールアドレスにはこれまで一度もスパムがきたことはありません。しかし、とある仕事限定で使っているwebページでは非公開のメールアドレス(数社とやりとりがあります)にはスパムが届いています。
本当に楽天が漏らしているのか? それともネットショップ側なのか? もしくはほかに原因があるのか? 理由が分からないまま「この『CSVデータダウンロードサービス』が原因だ!」とするのはいささか性急すぎます。個々のメールアドレスはそれぞれ事情が異なるため、原因を知りたい方は決めつけるのではなく一つずつ問い合わせることをオススメします。
楽天は以前顧客のメールアドレスとクレジット情報は渡さないと言った。矛盾している。
クレジット情報は(非表示)となっています。メールアドレスについては別問題です。そもそもGIGAZINEが問題にしているのは「楽天が個人情報を10円でDL販売している」ことであり、関係のない話です。矛盾しているから許せないという方はご自分でそのことを楽天側にお問い合わせ下さい。
楽天からお金貰って書いたの?
Google AdSenseに楽天の広告が表示されてるからGoogle経由で貰えるかもね! なお、デジタルマガジンではお金を貰って書いた記事、いわゆる記事広告はタイトルの頭に[PR]をつけています。
続報
このページに書き込まれたコメントを踏まえて楽天にインタビューを行いました。ぜひお読み下さい。 → 楽天に直撃インタビュー! GIGAZINEの「個人情報1件10円販売」報道によるユーザーの疑問とその答えを聞いた
(篠原 修司)





