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2009年02月17日 8:00

PTSDもこれで解決?オランダの科学者がトラウマを消す薬を開発

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PTSDもこれで解決?オランダの科学者がトラウマを消す薬を開発

© ThomasThomas

 幼児期の虐待や、強いショックによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)。オランダの科学者が開発した薬は、それらを引き起こすつらい記憶を消せるかもしれません。

 アムステルダム大学のメレル・カインド博士による最近の研究では、降圧薬や不整脈などの循環器疾患に対して用いられる『交感神経β受容体遮断薬』を60人の男女に対して投与し、トラウマとなる記憶を消すことに成功したとあります。

 実験では、クモの絵を見せる時に微弱の電流を流すことで、クモを見た時に不快感を覚えるよう擬似的なトラウマを植え付けることから始めました。

 次の日、ボランティアを2つのグループに分け、片方には『交感神経β受容体遮断薬』が、もう片方には偽の錠剤を与えました。その後クモの画像を見せ、なおかつ驚かせるために突然大きな音を立てました。その時に得られたまばたきの強さから、ボランティアたちの不快感を測定しました。

 その結果、『交感神経β受容体遮断薬』を与えられたグループの方が反応が少なかったと、Nature Neuroscience誌に報告されています。実験の1日後、今度は薬を与えずに同様の実験を行いましたが、やはり結果は変わりませんでした。このことから、カインド博士はトラウマが完全に消えていると主張します。

 『交感神経β受容体遮断薬』には、記憶を作り直すようななんらかの作用があると考えられます。将来的に実用化されれば、トラウマに苦しんでいる人たちを救ってくれることでしょう。

 ただし、この実験結果についてイギリス、マンチェスター大学のジョン・ハリス教授はいくつかの問題があると警告しています。

 まず、薬の作用には個人差があること。次に、犠牲者が記憶を失くしてしまうと裁判時に証言が採用されないかもしれないこと。最後に、記憶を失くすことによって新たな問題が発生するかもしれないこと。

 研究は現在、どれくらいの期間効果が持続するのか、そして実際にトラウマを持つ患者に対して効果があるのかを検証しています。

[ via Mail Online ]

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