デジタルマガジン

2008年12月04日 16:00

あなたの記憶はDNAに保存されているかもしれない

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photo:Wontolla65

 ファーストキスのことを覚えていますか? マウスによる実験では、化学反応によりキャップされたDNAが、そのような思い出を保存している原因かもしれないと示唆しています。

 ある特定の出来事を覚えているためには、ニューロンとシナプスはその出来事が思い出されるように結合していなければいけません。しかし、脳の中の細胞は日々新しい細胞と入れ替わっています。生まれ変わっているのに、どうして数十年も同じ状態を保てるのでしょうか?

 アラバマ大学のコートニー・ミラー博士とデイビッド・スウェット博士は、長期の記憶保存はDNAのメチル化と呼ばれているプロセスによって保たれているかもしれないと語りました。

 多くのDNAはメチレン基によって変化しないよう覆われています。細胞が分裂する時、この細胞記憶となるDNAは新たな細胞へと正確にコピーされます。ミラー博士とスウェット博士は、メチレン基はニューロンにおいて記憶を作るシナプスを維持するため、必要なタンパク質のパターンをコントロールするのを助けていると主張します。

 彼らはまず短期の記憶実験から始めました。マウスを檻に入れて微弱の電流を流し、それから外に出して再び中に入れようとすると、マウスは恐怖で凍りつきます。しかし、メチル化を禁止する薬をマウスに投与したところ、ショックによる恐怖は忘れ去られました。

 無投薬のマウスの脳を調べた結果、ショックを与えてから1時間後には脳の海馬付近でメチル化が速く行われていることが確認されました。しかし、1日後には標準の状態に戻りました。短期の記憶は海馬でのメチル化と関係していることを示唆しています。

 次に、彼らはメチル化が長期の記憶保存に関係しているかどうか調べるため、脳の表皮部分である大脳皮質に着目しました。大脳皮質では、ショックを与えた1日後にメチレン基がカルシニューリンと呼ばれているDNAから移され、別のDNAに加えられていることを発見しました。

 メチル化のパターンが安定したあと、7日間同じ状態だったため、彼らはメチル化が長期記憶にも関係しているかもしれないとしています。これらは記憶形成に関係するプロセスを邪魔しません。

 「我々は、短期の記憶が海馬で形成され、大脳皮質でそれらが長期の記憶として変わっていく様子を見ているんだと思います」とミラー博士は語りました。

 本当に記憶がDNAに刻まれていっているのかは分かりませんが、臓器移植などで記憶が転移する現象がTVなどで取り上げられたりもしています。もしかしたら、もしかするかもしれませんよ?

 記憶のありかが分かったら、ぜひとも自分の中の黒歴史を抹消させて欲しいものです。

[ New Scientist ]

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