GIGAZINEの「予告.inはもう限界」という記事はおかしい
記事公開日:2008/08/04 20:00 | 最終更新日:2008/08/04 20:09

GIGAZINEが7月31日に配信した『犯行予告を共有するサイト「予告.in」はもう限界に達している』という記事に、非常に違和感を感じている。タイトルがどうのこうのではなく、内容がおかしい。ミスリードではなく、おかしいのだ。
内容は当該記事を読んで欲しいが、GIGAZINEが挙げている「予告.inが限界」という理由は以下の3点だ。『「予告.in」への批判が増えている』『駅で「すかしっ屁」するという書き込みも即座に通報』『「予告.in」の抱える問題点』。1つずつおかしいと感じた点を書いていきたい。
1.批判だけが増えているわけではない
まず最初、『「予告.in」への批判が増えている』。批判が増えたから限界、では話が繋がらない。有名になればそれに比例して批判も増える、俗に言う有名税だ。有名であればあるほど批判される。だから私もこうしてGIGAZINEの記事に異を唱えている。
だいいち、批判だけが増えているわけではない。批判が増えているとして引用された記事内にも、賞賛している声はある。そのうえ本人のブログでは、大阪府警より捜査協力の記念品が贈呈されたとある。引用されている批判記事とは違い、少なくとも警察からは感謝されているようだ。こういった意見ばかりを引用すれば『「予告.in」への賞賛が増えている』として書くことも可能だろう。偏った意見ばかりを列挙し、限界とする考え方はおかしい。
2.この程度なら大丈夫だろうという軽い気持ちが問題
次に、『駅で「すかしっ屁」するという書き込みも即座に通報』。概要は以下。
7月30日に「犯行予告しますね」というタイトルのスレッドが立てられる。内容は「阪急池田駅ですかしっ屁をバラ撒く、駅員さん頑張って止めて下さい」というもの。このスレッドが立てられた10分後に、予告.inにて犯行予告が共有された。その際に情報提供者によって「すかしっ屁という通称の毒ガスを撒く可能性があります。」とコメントがつけられている。一見問題なさそうに見えるが、約4分後に大阪府池田警察署に通報された、というもの。
普通に考えれば、屁をするという行為が犯罪になるわけではない。しかし、「犯行予告をする」「大阪池田市に対する挑戦状」などと書いてあったため、矢野氏は通報に値すると判断したという。矢野氏の書き込みによれば、池田駅では1週間前にも悪質な犯行予告が行われたそうだ。イタズラだろうがなんだろうが、この手の予告は通報されて当たり前である。
GIGAZINEはこの件について、「共有からわずか3分半で脊髄反射で通報するのは異常」と意見しているが、とんでもない話だ。大事な認識が欠けている。それは、犯行予告はそれ自体が悪ということだ。
「犯行予告、○○駅で××をする」と言われれば、その駅を利用している人は不安を感じる。感じない、考えすぎと反論する人は、駅を自分の学校、会社、家に置き換えて考えてみて欲しい。見ず知らずの人に、自分のテリトリーで犯行予告されることがどんなに不安か。企業にしてみれば、些細なことでも対応しなければならなくなる。なぜなら、事件が起きてからでは遅いからだ。屁だろうが何だろうが、犯行予告はしない・されないのがベストである。
GIGAZINEのこの意見には、守るものが自分のサイトぐらいというブロガーの悪い部分が出ている。他人のことを考えない、守るものを持ったことがない、責任感のない人間がこういう犯行予告をする。この程度なら犯罪じゃないという甘えた考えからの行動は、多くの人を不安に陥れる。
3.犯行予告の通報は管理人の判断に委ねられているわけではない
最後に『「予告.in」の抱える問題点』。ここでは「無意味な通報が多い」「冤罪であった場合、実名報道の被害は大きい」「通報を管理人任せにするシステムにはムリがある」と、3つの意見をGIGAZINEは述べている。
まず「無意味な通報が多い」という意見だが、その根拠となるものがない。無意味な通報とは何を指すのだろうか? 仮に無意味であった場合、それは事件性がないとして処理されるだけだ。
だいいち、予告.inは6月8日以降17人の逮捕という成果を挙げている(8月4日17時現在まで)。何を持って「無意味な通報が多く、地道に通報していた頃の方がまだマシだったのではないか?という状態です」と言っているのだろう。この意見自体がのちにGIGAZINEが述べているように、通報を個人(この場合GIGAZINE)任せにしていて危険である。
次に「冤罪であった場合、実名報道の被害は大きい」という意見だが、それは全ての刑事事件が抱えている問題であり、その責を予告.inに対して問うというのは理不尽だ。そもそも犯行予告があったというのは事実であり、それを通報する行為は正当なもの。冤罪は警察の判断能力の問題であり、善意の第三者にその責任を問うべきものではない。
最後に「通報を管理人任せにするシステムにはムリがある」という意見だが、認識不足としか言いようがない。予告.inにて共有された犯行予告は、GIGAZINE編集部がかわりに通報しても何ら問題はない。犯行予告を通報するのは個人の自由なのだ。
GIGAZINEは予告.inを矢野氏の個人サイトだと思い込んでしまっている。矢野氏は情報を共有できる場所を提供しているだけであって、矢野氏自らが情報を集めて通報しているというわけではない。予告.inの対応が不満なのであれば、自分が通報すれば良いだけだ。
4.最後に
記事の最後で「今後、一体どのような改善を行うのでしょうか?おそらく、これからが正念場なのだと思われます。」と、まるで応援してますよという雰囲気を醸し出しているが、おかしなことに挙げられた問題の改善案は一切述べられておらず、単に予告.inは限界だとして批判しているに過ぎない。
散々煽っておいて応援しています、では腑に落ちない。これからが正念場なのだと思っているのなら、思い込みによる一方的な批判ではなくGIGAZINEから何かサポートできることを打診してみてはどうだろうか?
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