デジタルマガジン

2008年06月16日 10:51

ジュラシック・パークに行ける日も近い?DNAから恐竜を甦らせる

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 1993年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の映画『ジュラシックパーク』はご存知だろうか? バイオテクノロジーを使って恐竜を復活させ、恐竜の王国を作りあげたが管理システムが崩壊。王国内にいるスタッフや招待したゲストが恐竜に襲われてしまうというパニックサスペンスだ。恐竜の王国『ジュラシックパーク』、そんな夢の国に行ける日が来るかもしれない。

 時は1992年まで遡る。カリフォルニア州立技術専門大学のラウルカノ教授が、琥珀に閉じこめられた昆虫からDNAを採取する実験を行った。この実験で彼は、4000万年前のミツバチと古代のシロアリからDNAを取り出すことに成功した。

 この実験の結果から、恐竜のDNAを採取することもできるかと思えた。しかし、実験は失敗におわった。科学者たちは、教授たちが取り出したDNAを彼らの髪や服からこぼれ落ちた汚染物質だと思い込み、実験の結果を確かめようとしなかったのだ。

 そして琥珀の中に存在する古代のDNAを採取することは断念された。過去への扉は閉じられてしまったのだ。

 しかし、別の研究者は40万年前のマンモスと45万年前のネアンデルタール人の骨からDNAを取り出すことに成功した。だが、これが成功したからと言って恐竜も取り出せるかどうかは疑わしかった。なぜなら彼らははるか昔、何千万年前の生き物たちだからだ。

 そして2003年、再び過去への扉が開かれる時がきた。『ジュラシックパーク』のアドバイザーをしているホーナーのチームが、モンタナに化石を掘りに行った時だ。彼らは6800万年前のティラノサウルスの化石を掘っている時に、とんでもないものを発見した。

 まっぷたつに割れた巨大な大腿骨。ホーナーはその骨の一部を、彼の学生である古生物学者のメアリー・シュバイツァーに分け与えた。その骨を調べた彼女は、骨の外側に見知らぬ構造物が存在しているのに気付いた。その構造物は卵を身ごもった鳥の骨だけで見つかるものによく似ていた。彼女は、助手に化石が掘り出された鉱物の層を分解するように依頼した。

 6時間後、彼女の助手が駆け込んできた。「信じられないものを発見しました。先生、あなたはこれを信じなければいけません!」助手が持ってきた構造物は手の中でグニグニと変形した。そう、これは化石化された軟化組織、つまりティラノサウルスの肉なのだ。この化石は血管を確認することさえできた。

 ティラノサウルスの肉はすぐにモンタナの大学へと持ち込まれた。そして、ティラノサウルスのDNAを取り出すことに成功した。科学者たちは有機物質が10万年すら生きられないと思っていた。なのに6800万年前のモノが生きていたのだ。この驚きと興奮はとんでもないものだっただろう。

 1990年代に、中国で灰に生まれた恐竜の化石が見つかった。発見された恐竜には、鳥のような特徴(爪と羽を含む)が見つかった。そこで、恐竜の復元にはDNAが完全に解析されている鳥、エミューで行われることとなった。

 エミューの卵にティラノサウルスのDNAを注入し、部分的に再現実験を行った。まずは尾だ。発育過程の鳥の胚の脊柱を調べた結果、16本存在していることが分かった。通常、鳥は脊柱を4本から8本しか持っていない。16本という数は、爬虫類の尾ということになる。その後、歯、爪も同様に行われ、眠っている恐竜のDNAを呼び起こすことに成功した。

 どこまで甦らせられるかは分からない。しかし、バイオテクノロジーの技術は急速に進化している。食べられるのは嫌だが、生きているティラノサウルスを死ぬまでにこの目で見られる日が来るのかもしれない。

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