デジタルマガジン

2008年05月02日 17:00

クモの糸の生産がもうすぐ可能に

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 クモの糸の大量生産が現実のものになろうとしている。Andreas Bausch教授、Thomas Scheibel教授とSebastian Rammensee博士の3名は、米国科学アカデミーでクモの糸に似せた合成繊維を製造する装置を発表した。

 クモの糸はタンパク質分子の組み合わせでできており、強度はケブラー繊維の5倍、伸縮性はナイロン繊維の2倍にもなる。理論上では、直径1cm程度のクモの糸で巣を張れば、飛行機を受け止めることすらできるのだ。

 今回発表されたこのスパイダー・ドラグライン・シルクは、ADF3とADF4の2つのタンパク質から構成されている。これらのタンパク質は、丸くなるように絡み合って繊維を構成している。

 合成繊維は球状に組み合わさっているため、天然のクモの糸と比べるとザラザラとしている。しかし、参加した科学者たちによれば、近い将来教授たちは天然のクモの糸を完璧にコピーするだろうとのことだ。

 スパイダー・ドラグライン・シルクの大量生産が可能になれば様々な分野での活躍が期待できる。

 例えば医療においては、手術の時の縫合は強力になり、ちょっとやそっとじゃ傷口は開かないだろう。防弾ベストも、今よりも5倍頑丈なものとなる。釣り糸は生物分解が可能になり、湖や海を汚すこともなくなるだろう。

 スパイダー・ドラグライン・シルクは我々の暮らしを豊かにし、地球にも優しいという画期的な発明なのだ。これまで科学者たちは何十年もこのクモの糸の謎を解こうと奮闘してきたが、やっとむくわれる時がきたのだ。

[ Telegraph.co.uk ]

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