デジタルマガジン

2008年03月01日 2:39

ニンテンドーDS向け液晶パネルのカルテル問題 まとめ

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 昨日書いた記事に非常に多くの人が意見をくれた。いろいろと返事をしたいが時間的に難しいのでまとめを用意した。「この共産主義者め!」とか「働いてないんだろこのニート!」とか言ってきた人もぜひ読んで欲しい。

 なお、このまとめはシャープと日立ディスプレイズ(以下:日立)が価格カルテルを行っていたと仮定してまとめたものだということを念頭に置いて貰いたい。まだ“疑い”の段階なのだから。

Q.シャープと日立は悪くないのか?

 A.独占禁止法違反であり、悪い。両社には今後排除命令や課徴金の納付命令が下されることとなる。

Q.任天堂は悪いのか?

 A.法律的には全く問題ない。しかし穿った見方をすれば、両社がカルテルをしなければいけなくなるほど値下げを迫ったとも考えられる。

Q.値下げの必要な価格だったのか?

 A.仕入れ価格がわからないので正確には答えられないが、ニンテンドーDSは液晶パネルを2枚使用しているため、シャープや日立にとって利益率の良い取引であった模様。ただし、小型液晶パネル業界は厳しい値下げ競争にさらされており、巷で出回っている営業利益率1%というものは日立ディスプレイズ全体のもの。ちなみにシャープの液晶パネル部門は3%前後。任天堂は23%である。

Q.どのような値下げだったのか?

 A.四半期ごと、つまり3ヶ月ごとに液晶パネルの納入価格の相見積を行っていた。その度に2社からの納入価格は下落する傾向にあった。また、現段階でも常に値下げを要求している。

Q.シャープと日立以外に液晶を納入できる会社はないのか?

 A.ほかにもいくつか納入できる会社はある。日本の会社だとセイコーエプソンなどが当てはまる。韓国、台湾などのメーカーも多数ある。

Q.任天堂はこのことを知っていたのか?

 A.広報は知らなかったと言っている。しかし、公取委に対して不服申し立てを任天堂側から行うかどうかは不明としている。

Q.なぜバレたのか?任天堂がちくったのか?

 A.シャープと日立は、韓国や台湾の海外メーカーと国際カルテルを結んでいた容疑で2006年の12月から日本、米国、韓国およびEUの独禁当局から調査を受けている。今回の疑いはこの調査の過程で浮上したもの。

Q.今後ニンテンドーDSはどうなるのか?

 A.ただちに取引が停止するというわけでもなく、取引の継続は可能。検査の行方に関係なくニンテンドーDSの販売は続けられるため、事業への影響はほとんどないものと考えられている。

Q.企業努力によって下がった原価は消費者に還元するべきなのか?

 A.強制ではない。しかし利益を拡大しておきながら消費者に対して還元しないという姿勢は、喜ばしいものではない。

Q.利益は消費者ではなく株主に還元するべきでは?

 A.君は正しい。しかし世の中正しいだけでは生きていけない。その証拠にスティール・パートナーズがひどい目にあっているだろう?任天堂が行っているのと同じように、値段を下げられるなら下げろと消費者も声をあげる。誰だって、どこの会社だって安いにこしたことはない。当たり前田のクラッカーな話。

Q.シャープと日立が価格カルテルを結んでいたため、ニンテンドーDSの価格が下がらなかったのか?

 A.数値を把握できていないので答えられない。ただし、液晶パネルだけ値下げを要求しているとは考えられず、そのほかの部品も同様に価格が下がっているはずである。液晶パネルの価格維持は決定打とはなりえず、任天堂側に(少なくとも現段階では)下げる意志がなかったと見られる。

Q.液晶の黄ばみ問題(通称:尿液晶)と今回のことは関係あるのか?

 A.液晶の黄ばみが確認されたのは2006年3月頃であり、日立の参入(2005年)とは関係がない。液晶は大半はシャープが納入しており、そこに日立が少し納入している形である。値下げ要求によって、質が下がったとは十分に考えられるが、証明することはできない。

Q.デジマガネットはアンチ任天堂なのか?

 違うよ。全然違うよ。どちらかと言えばアンチソニー。最近は任天堂を批判することも多いけど、それは期待の裏返しなんだ。マリオカートWiiだって購入するつもりだよ。

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